■ 黒田亜樹ピアノリサイタル2004 ■
●ご挨拶
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
日本とイタリアの往復で、文字通りの二重生活をおくっているうちに
暮れの足音が近づいてまいりました。
今年の夏、心から信頼している音楽の仲間達によって後援会が結成されました。
来年の1月には、その後援会の方々のお力添えで、東京・大阪、二箇所でリサイタルを開催する
運びとなりました。
伝統の誇り高いイタリアの文化とともに、日本人である自分に何が出来るか、
試行錯誤の毎日ですが、2003年春には、パルマの見事なオペラ劇場Teatro Regioにおいて、
「展覧会の絵」でソロ・デビューを果たすことが出来ました。
この時の自分の中での音の風景を、是非日本でも再現してみたくて、
今回のリサイタルのプログラムに加えました。
シェーンベルグの「室内交響曲-ピアノ独奏版」は究極の編曲と呼ばれているそうで、
世界でもこの編曲をレパートリーにしているピアニストはおりません。
とても魅力的な作品ながら、オーケストラですら演奏が難しいものを、
10本の指でどこまで紡ぎだせるのか、私の大きな挑戦です。
バッハ作曲ブラームス編曲の左手のシャコンヌは、イタリアのピアノの巨匠、B.メッツェーナ氏と
出会って最初に勉強した思い出深い作品です。
古くからのイタリアのピアニズムの伝統に触れ、私の人生を180度変えてしまった、
あの感激を、 コンサートで皆様にお届け出来れば本当に幸せです。
どうぞ宜しくお願い致します。
2003年11月 黒田亜樹